Diary - 制作日記

★33:IGDA SIG-Indie10 PlayStation Mobileの現状と可能性1/32013/06/02 (日)  02:02

こんにちは。徐々に夏を感じる季節になってきたこの頃ですね。

2013年6月1日(土)に開催されたIGDA Japan SIG-Indie 第10回研究会「PlayStation Mobileの現状と可能性」に行ってきました。

会場は何と品川にあるSCE本社
まさかのインディーズとPSMのお話という事で、わくわくしてしまいました。

SonyComputerEntertainment

期待以上に面白いお話を幾つも聞く事ができましたので、
今回もこっそりメモと所感を掲載してみようと思います。
(長くなるので3ページに分けました。)

お約束ですが、この記事はあくまでも私なりの解釈ですので、
発表者の真意とのギャップがある可能性がある事に注意して下さい。

※また、発表者の発言がIGDAの公式認識では無い事は明言されております。

因みに参加者はプログラマーな方々が殆どで、半分くらいはプロの方の様です。
Twitterハッシュタグは#igdajです。

【参考リンク】(幾つか足しました)

■INSIDE FOR ALL GAMERS (イベントレポートが掲載されております)
http://www.inside-games.jp/article/2013/06/05/67145.html
http://www.inside-games.jp/article/2013/06/07/67210.html
http://www.inside-games.jp/article/2013/06/08/67245.html

■SlideShare(SCE様の発表スライドが公開されております)
http://www.slideshare.net/igda_jp/ps-mobile-at-sigindie10

■PlayStationMobile DevPortal
https://psm.playstation.net/portal/ja/#register

■IGDA Japan
http://www.igda.jp/modules/bulletin/


①「ソシャゲと家庭用ユーザーの違いと重なり」
講演者:小山 友介 様(芝浦工業大学)

ソーシャルゲームユーザと家庭用ゲームの違い・共有部分についての調査とその考察という内容。
実際のところどうなのだろう?と疑問に思っていた部分なので、興味深い内容です。

    • ソーシャルゲームユーザーと家庭用ゲームユーザーは対立?
      →2段階のWeb調査

      • スクリーニング調査 (n = 3万)
      • 本調査 (スクリーニング調査で、ソシャゲプレイ||家庭用プレイの人)

      →家庭用、ソーシャルどちらも遊んでいる人が多い。

    • ゲームに支出する金額はやはり家庭用ユーザーが多い
      • ソーシャルユーザーは殆どのハードに対して高いと感じている様。
        →家庭用を遊ばない人程ハードが高く感じる(?)
        ハードにお金をかけない?
    • 好きなジャンルについて
      家庭用ユーザー、ソーシャルユーザー共にACT, RPG, ADV, PZLが多い感じ
    • ゲームに求める面白さ
      • ソーシャルゲームユーザー
        • 比較・ランキング
        • 対戦
        • コミュニケーション
      • 家庭用ゲームユーザー
        • キャラクター
        • シナリオ・世界観
        • サウンド
        • グラフィック
ソーシャルゲーム層と家庭用ゲーム層では、大きな差が見られたのは興味深いです。
しかしどちらもプレイしている人が多い事から、棲み分けが出来ているという事なのかも…?
  • ソーシャルは別腹
  • ソーシャルゲームは家庭用より紹介されていない
    →紹介=自身の利益など悪いイメージがあるのかも?
  • PlayStation VITAは価格改定で忌避感が大きく下がる
    →しかしゲーム機を買わない人はどうしようもない。

②「PlayStation Mobile現状及び今後の展開」
「PlayStation Mobile技術解説」
講演者:ソニー・コンピュータエンタテインメント 様

なんとSCEの社員様の講演。
最近パブリッシャー登録が無料になった事で、話題になりましたね。

これからSCEがどういった方針を取っていくのか、また実際の開発・リリース時におけるTips等の講演でした。

・現況報告

・オリジナルティある作品を出していきたい
・ゲームの幅を広げたい

・売上比率

世界でも日本の比率が大きい。(36[%])
アメリカ=33[%], ヨーロッバ11[%]…

デバイスではPSVitaのものが売上多い。

・デバイス

PSVitaは価格改定後、販売は好調。Xperia Zも好調。

・ユーザー

SENアカウント:世界で1億1000万(!)

全PSプラットフォームにおけるコンテンツDL数は29億1600万以上。
DLでゲームを購入するという事に抵抗感は無し。

・デベロッパー登録

日本からのパブリッシャー登録が多い。アメリカ、ヨーロッパも多い。
登録数は順調に推移している。

・今後のアクション

新しい軸としてMobileが参入した。
ゲーム専用機だけで無く、汎用機(スマートフォンなど)にPSを広めていく。

  • 1stPartyタイトルをリリース(勇者のくせにこなまいきだ、等のタイトル)
  • オリジナルティ溢れるゲームを継続してリリース
  • DUAL SHOCK3に対応予定!

    →ユーザの選択肢として用意。

  • インストールベースの拡大
    対応デバイスの拡販・拡大、他PSユーザをPSMへ誘致。
  • パブリッシャーライセンスの無料化
  • イベント参加(E3, TGSなどにPSMコンテンツを)
  • その他インディーズイベントにも(BitSummitなど)

 

これからインディーズの方にも力を注いでいく感じが見受けられました。
これは面白くなりそうな予感です。

■Technical Tips

PSMデベロッパー向けの技術的なお話でした。

・鍵の生成・管理がややこしい

PSM開発にはパブリッシャー鍵とアプリ鍵なるものが存在し少しややこしい様だ。
鍵の管理をSDK側からできるようになったとの事。

・最適化のヒント

CPU⇔GPUの転送量を抑え、オーバーヘッドを減らす事が有効。
具体的には以下の心掛ける。

  • DrawArraysの呼出し回数を抑える
  • SetTextureの呼出し回数を抑える
  • SetVerticesの呼出し回数を抑える
  • float→shortなどに変更し、転送データ量を減らす
  • IDEのプロパティから「署名と暗号化」を「平文」に設定
    →暗号化が行われなくなり、複合時間が短縮される

 

処理時間等の計測にはStopWatchクラスのプロパティを使うのが良いらしい。
StopWatch.ElapsedTicks等を使うといいかも。

※私もC#を使っていたので補足ですが、時間計測にはStopWatchクラスが便利です。
ミリ秒程度の精度で良いのであれば、ElapsedMillisecondsを使用するといいかも。
更に精度のよいカウントには、ElapsedTicks / Frequencyなどで計算すると良さげでした。
【参考】
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/system.diagnostics.stopwatch.aspx
・Vitaでテクスチャローディングが遅い

まだ圧縮テクスチャフォーマットがサポートされていない。

・セーブデータの暗号化

アプリ内課金を行う場合は暗号化する事を推奨。
セーブデータのユニーク値を種に暗号化を行うと良い。

・今後について
  • 他言語の対応を検討
  • Luaの対応を検討
  • Unityの対応
なんと多言語の対応も期待できそうな感じでした。
今流行のUnityや、Lua言語に対応する予定との事。
SDKの修正・更新も活発の様ですし、これからかなり開発環境が良くなっていく事が期待されます。

■アプリ提出時Tips

開発後の審査などに関するお話でした。

・言語について

配信する国に対応した言語である事が推奨。(一応、日本語のみでもOKらしい)
ただし、アプリの説明は配信する国の言語で記述する必要あり。

・販売時の税金などについて

SCEが代理販売という形で販売を行うので、海外に発信した場合でも
デベロッパー側が税金対策等をする必要がない。

デベロッパー側は任意の卸売価格を決定し、それをベースにSCEが販売価格を設定する。

これはデベロッパー側に配慮されたとても素晴らしい仕組みですね。
・審査に弾かれてしまった場合

・デバイス間で一貫性のある動作になっていない
→あるデバイスで使えない機能などは代替する機能を入れる必要がある
(例えばジャイロセンサを使ったものなど)
→今後はデベロッパー側が推奨デバイスを指定できる様になるかも?(Vita専用など)

・無反応時間が5秒を超えてしまう
PSMでは無反応の時間が5秒以上続く事はNG。
これはロード中にNowLoadingアニメーションがあるなど、動いている事が分かればOKとの事。


③「PlayStation MobileとUnity」
講演者:前広樹(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン)様

さまざまなOSに対応しているUnity, PSMの対応についてのお話でした。

・提供時期

絶賛開発中!

・料金について

(かわいい猫の写真でごまかされる)

・PSM SDKとの関係

両社で力を併せる方針で、互いの機能を併存させていく予定。
互いの足を引っ張らない様な設計に。

配信経路やセキュリティ機能など、インフラ・ローレベルは同じ基盤。

※XNAのゲームをUnity経由でPSMで動かせちゃうらしいw

な、なんだってー!\(^o^)/

ここまでが第1部~第2部の内容(午前)です。
大分長いので複数のページに分割します。

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